やし酒飲み

エイモス・チュッツオーラ『やし酒飲み』。

「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」――。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。その途上で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、指から生まれた赤ん坊、不帰(かえらじ)の天の町……。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高峰。1952年刊。

紹介を読むだけで、少しへんてこな話だと分かります。
「実験的」と評すべきかどうかは微妙ですが、風変わりで、楽しいことは間違いないです。
あまり似たタイプの作家がいないような気もします。
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文体練習

レーモン・クノーの『文体練習』。

他愛もないひとつの出来事が、99通りものヴァリエーションによって変幻自在に書き分けられてゆく。20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたクノーによる究極の言語遊戯が遂に完全翻訳された。前人未到のことば遊び。

これに触発された著作がいくつかあります。


実を言うと、これらの著作はどれも、タイトルからイメージするのとは異なり、文体練習という感じではありません。レトリックとして文体の練習をしたいなら、こちらはいかがでしょう?



どれも楽しくて勉強になります。

しあわせの書

マジシャンで推理小説作家の泡坂妻夫さん。
彼が書いた『しあわせの書』は、(作中に登場する本と同じ仕掛けが手元の本にもあるという)メタフィクションで、しかも仕掛けがあるという楽しい本。
紙の本ならではのトリックです。



あわせて復刊された文庫『生者と死者』も袋とじという仕掛け本。
短編小説の「消える短編小説」を読んだ後、ページを切り開くと長編ミステリーが姿を現す。

こういうタイプの実験も楽しいですね。

本を読むときに何が起きているのか

ピーター・メンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間』は、実験小説とは直接関係ないですが、「カリスマ装丁家が読書における想像力の謎に迫る、かつてない“文学×デザイン×現象学”の探求の書物」ということで、グラフィカルな実験小説好きなら楽しめそうな本です。



英語ですが、ハフィントンポストのページに画像たっぷりで紹介されています。

著者本人が講演している模様が、動画でも見られます。


理論書とまではいきませんが、引用も多く、読書という経験についていろいろと考えさせてくれる、面白い作りの本です。

スラデック『ロデリック』

ジョン・スラデックの『ロデリック』。


ウィリアム・ギャディスがすごいのと同様の意味ですごい。
こちらのHPが両者の比較をしていて興味深いです。

ギャディスの邦訳が入手困難な今、その風味を味わうなら『ロデリック』をどうぞ。
物語の内容はロボットSFですが、コメディーになっています。