本を読むときに何が起きているのか

ピーター・メンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間』は、実験小説とは直接関係ないですが、「カリスマ装丁家が読書における想像力の謎に迫る、かつてない“文学×デザイン×現象学”の探求の書物」ということで、グラフィカルな実験小説好きなら楽しめそうな本です。



英語ですが、ハフィントンポストのページに画像たっぷりで紹介されています。

著者本人が講演している模様が、動画でも見られます。


理論書とまではいきませんが、引用も多く、読書という経験についていろいろと考えさせてくれる、面白い作りの本です。

スラデック『ロデリック』

ジョン・スラデックの『ロデリック』。


ウィリアム・ギャディスがすごいのと同様の意味ですごい。
こちらのHPが両者の比較をしていて興味深いです。

ギャディスの邦訳が入手困難な今、その風味を味わうなら『ロデリック』をどうぞ。
物語の内容はロボットSFですが、コメディーになっています。

T・S・スピヴェット君傑作集

ライフ・ラーセン 『T・S・スピヴェット君 傑作集』。



「モンタナに住む十二歳の天才地図製作者、T・S・スピヴェット君のもとに、スミソニアン博物館から一本の電話が入った。それは、科学振興に尽力した人物に与えられる由緒あるベアード賞受賞と授賞式への招待の知らせだった。過去にスミソニアンにイラストが採用された経緯はあるものの、少年はこの賞に応募した覚えはない。これは質の悪いいたずら?
そもそもこの賞は大人に与えられるものでは?
スピヴェット君は混乱し、一旦は受賞を辞退してしまう。だがやがて、彼は自分の研究に無関心な両親のもとを離れ、世界一の博物館で好きな研究に専念することを決意する。彼は放浪者のごとく貨物列車に飛び乗り、ひとり東部を目指す。それは、現実を超越した奇妙な旅のはじまりだった。
アメリカ大陸横断の大冒険を通じて、自らの家族のルーツと向き合う天才少年の成長と葛藤を、イラスト・図表満載で描き上げる、期待の新鋭による傑作長篇。」

映画もよかった。
監督はジャン・ピエール=ジュネ。
この映画にぴったりです。
予告編はこちら。


イラスト・図表満載というところが愉快です。

石蹴り遊び

コルタサルの『石蹴り遊び』。
普通に前から順番に読んでいってもいいし、巻頭の指定表順に読み進めてもいいという、ユニークな作品。


水声社から再刊されていますが、水声社の本は残念ながらアマゾンからは買えませんので、お近くの書店か別のオンラインショップでどうぞ。


実験する小説たち

先月、刊行された実験小説のガイドブック。

実験小説と呼ばれている作品がざっと概観できます。

紹介するホームページがいくつかあります。
とりぶみさんとか、探偵小説三昧さんとか、
フランスかぶれのめもさんとか、ホンシェルジュさんとか、巽ゼミさんとか、基本読書さんとか。週刊読書人さんにも書評掲載

他に「実験小説」をタイトルに含む著作としては次のようなものもあります。



筒井康隆さんの実験小説名作選は、タイトル通りの短篇集。
ゾラの本は、実験小説という言葉の元になった「実験小説論」が収められたもの。
「実験小説ぬ」は実験的な短篇集。あまり本格的(真剣)なものではなく、遊び心で書かれた感じ。
「現代イギリスの……」は、モダニズム作家が中心に論じられています。少し専門的で、話題が絞り込まれているので、ネットの情報などで内容を確認するといいかもしれません。

他にも、実験的なSF作品などもあるようですが、内容や出来はいろいろです。

もっとたくさんガイドブックが出版されるといいですね。