ペドロ・パラモ

フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』。

ペドロ・パラモという名の、顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく。しかしそこは、ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった……。生者と死者が混交し、現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し、ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作。

やや覚えにくい中南米系の名前が次々に登場するので、頭が混乱します。
ざっと読んでから改めて再読するか、メモを取りながらじっくり読むことをおすすめします。
紹介しているHPもいくつかあります。こちらも。

恋愛小説という主軸部分が素晴らしい。

文体練習

レーモン・クノーの『文体練習』。

他愛もないひとつの出来事が、99通りものヴァリエーションによって変幻自在に書き分けられてゆく。20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたクノーによる究極の言語遊戯が遂に完全翻訳された。前人未到のことば遊び。

これに触発された著作がいくつかあります。


実を言うと、これらの著作はどれも、タイトルからイメージするのとは異なり、文体練習という感じではありません。レトリックとして文体の練習をしたいなら、こちらはいかがでしょう?



どれも楽しくて勉強になります。

しあわせの書

マジシャンで推理小説作家の泡坂妻夫さん。
彼が書いた『しあわせの書』は、(作中に登場する本と同じ仕掛けが手元の本にもあるという)メタフィクションで、しかも仕掛けがあるという楽しい本。
紙の本ならではのトリックです。



あわせて復刊された文庫『生者と死者』も袋とじという仕掛け本。
短編小説の「消える短編小説」を読んだ後、ページを切り開くと長編ミステリーが姿を現す。

こういうタイプの実験も楽しいですね。

本を読むときに何が起きているのか

ピーター・メンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間』は、実験小説とは直接関係ないですが、「カリスマ装丁家が読書における想像力の謎に迫る、かつてない“文学×デザイン×現象学”の探求の書物」ということで、グラフィカルな実験小説好きなら楽しめそうな本です。



英語ですが、ハフィントンポストのページに画像たっぷりで紹介されています。

著者本人が講演している模様が、動画でも見られます。


理論書とまではいきませんが、引用も多く、読書という経験についていろいろと考えさせてくれる、面白い作りの本です。

スラデック『ロデリック』

ジョン・スラデックの『ロデリック』。


ウィリアム・ギャディスがすごいのと同様の意味ですごい。
こちらのHPが両者の比較をしていて興味深いです。

ギャディスの邦訳が入手困難な今、その風味を味わうなら『ロデリック』をどうぞ。
物語の内容はロボットSFですが、コメディーになっています。